それまで36年勤務した建設会社を離れ、次の会社に再就職した時それまでの緊張感がほぐれ、何か趣味をと考えた。ゴルフはやらないし、室内系の趣味には興味を感じず、腰痛気味対策を含めて「歩く」ことを思いついた。歩き方をいろんな人に聴いたところ「登山やトレッキング、トレイルラン」、「四国や秩父などのお遍路さん」、「鉄道廃線や線路歩き」、少し興味をもったものでは「旧街道歩き」などがあったが、みんながあまりやっていない「川の堤防歩き」はどうだろうか、にたどりついた。
首都圏の河川なら日帰りができ、あまり金もかからず、地形の高低差がほとんどないはずなので体力的に問題無いだろう、ということである。歩き方について次のことを基本にした。
・日帰りできる範囲の河川とすること
・マイカーは使わずに電車・バスなどの公共交通機関によること
・原則として両岸を、河口から交互に上流を目指すこと
・1日でどこまで行くかを計画はするがその日の体調次第とすること
・水源まで行きたいが現地の条件で判断すること
・単独行なので危険な所は避け無理をしないこと
出発の前に、2.5万分の1地形図を入手した。これは、日本地図センターや大きな書店で購入できる。地図は携帯のナビを使えるならそれでも構わないだろう。また、カメラ、記録帳、筆記具を携行品とし、せっかく歩くのだから何か記録を残しておこうと考えた。
2010年2月(当時65歳)に荒川を手始めに2017年まで首都圏周辺の主な河川を歩いた。利根川だけが中流域のみでまだ中途半端な形となっている。歩いた日数は計61日、距離は1,200km超である。
以下各河川を歩いた実績と新聞記事その他から得た知見を交えながら、河川ごとに私が推奨するコースを案内する。計30コースである。各コースにルート図を付けているが、利根運河以外は何れも下流から上流に向かう形で、黄色のルートが推奨する行程である。「分」は純歩行時間、「海から」は現地で見た距離標識に示されているキロ程である。
何れの推奨コースも純歩行時間300分程度以下なので、距離は20km程度と考えてよい。距離以外に、歩き易さ、アクセスのし易さ、興味をひきそうな所の多さなども考慮したコースのつもりである。選んだ30コースのチェックのため再歩行したが、歩き始めた60歳代からは体力的な衰えを覚え、現在はこの半分程度のコースを模索中である。