利根川を歩いて

 

 利根川総延長322kmのうち、実際に歩いたのは中流域134kmの両岸であり、その中から5つのコースを選んで紹介した。この川は他の河川と比べて鉄道の駅からのアプローチに時間を要することと、橋で区切る行程を組もうとすると、橋の間隔が長く一行程が長くなる傾向になってしまう。実際①コースが22.5km、②コースが26.0km、③コースが23.7kmになったため、以後④コース16.7km、⑤コース17.2kmと抑えた。

  またこの川独特の歩き方として本流沿いばかりではなく、少し脇にそれることもやっており、①コースでは鬼怒川・飯沼川、②コース権現堂調節池(行幸湖)、③コース葛西用水、④コース武蔵水路、⑤コース神流川である。

  利根川全般の印象としては右岸に水路が集中しており、江戸方向への用水・舟運に供されてきたことがわかる。下流から、利根運河、江戸川、権現堂川、葛西用水、利根大堰・武蔵水路・見沼代用水・埼玉用水路などである。

  またこの川は治水との闘いを繰り返してきており、江戸時代には東遷という大事業で江戸方向への流れを銚子方向に変え、近いところでは昭和22(1947)年に襲来したカスリーン台風による被害が大きかった。③コースカスリーン公園の展示で復旧記念を顕わしたものを見ることができる。