このコースは秩父橋と秩父公園橋の2つの斜張橋を見たあと左岸一般道路で久那橋に至り、対岸に渡って浦山ダムの貯水池である秩父さくら湖を一周するものである。歩行距離は約24kmで後半の秩父さくら湖一周は約13kmである。コースのルートを図-1.6に示す。2.5万分の1地形図は皆野・秩父である。
秩父鉄道・大野原駅から秩父橋に向かう。
コースには入れなかった右岸に太平洋セメント秩父工場があるが、この原料である石灰岩は南南東にそびえる武甲山で採掘されている。武甲山は、昭和46年(1971)には1336mであったが、平成18年(2006)に更新された2.5万分ノ1地形図は1304mであり、1年で約1mずつ低くなったことになる。既採掘量は4.3億t、残り5億tと言われ、最終的に長さ5km、高さ900mという日本最大の石灰岩斜面が出現するという。
秩父橋は歩道橋(写真1.31)と自動車橋(写真-1.32)とがV字形で近接する別々の橋であり、前者は鉄筋コンクリート三連アーチの歴史遺産的橋梁で後者は斜張橋である。左岸たもとに竣工記念碑と土木学会田中賞碑がある。
秩父公園橋(写真1.33)は別名秩父ハープ橋とも呼ばれ、秩父橋と同じく土木学会田中賞が贈られた斜張橋である。この橋の中央にある主塔の下で柏手を打つと、「ギュンキューン」という音が返ってくる「鳴き竜現象」があると言われている。
久那橋を右岸に渡り秩父方面に少し戻ると支流・浦山川の二等橋がありさらに進むと浦山・橋立方面への分岐となる。秩父鉄道浦山口駅はすぐそばである。橋立川諸下橋を通り、浦山川諸上橋を渡ったすぐの所から浦山ダム方面に左折する。ダムの一番下にエレベーター乗り場がある。エレベーターは邪道であくまで歩くという向きには、きつい上りではあるが、約 2.5km 、40分でダム天端に至る。
浦山ダム(写真-1.34)は水資源機構の重力式コンクリートダムでH=156m、L=372m、V=175万㎥、総貯水容量5,800万㎥である。このダム高は157mの奥只見ダムに次ぐ日本で2番目の高さだそうである。またダムの上下流面に見られるアーチの模様(写真-1.35)は前述した秩父橋のイメージを表現したものという。
秩父さくら湖の左岸を行くと天空の広場がありダム掘削で出てきた珪岩(チャート)の大塊が置かれている。熊出没注意の看板がある。
美咲樹の広場、大久保橋を通り、浦山川の浦山大橋(写真-1.36)に着く。ここで右岸に渡り下流ダム方面に向かう。
奥郷沢茶平橋、寄国土(ユスクド)トンネル(L=413m)、日向管理用道路入口、大谷(オガイ)沢橋からの大谷の滝がある。この道路には秩父市営バスの停留所があるが、1日4便の時刻表である。
道明トンネル(L=112m)を抜け、後台トンネル(L=316m)の手前から左折してウオーターパーク遊歩道に入りダム管理所となる。レッドチャートの大塊が展示してあり、ダムカードが貰える。
ダム中央にあるエレベーターで下りて、秩父鉄道・浦山口駅に向かう。